【感想】仰ぎ見る遡行

開催日時:2019年2月23日 10:00-23:30

シナリオタイトル:仰ぎ見る遡行

作者:永童夜奈

KP:まつきさん

PL:植木蜂さん・セヒさん・琉亜さん・きりぅ

 

以下、ネタバレを含みますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 昨日はまつきさんKP(GM)で『仰ぎ見る遡行』に参加させて頂きました。

 

今回のメンバーは以下の4名。

・茶路愛登さん(植木蜂さん)-探偵助手

・伊郷魅衣さん(セヒさん)-大学生

・終夜星空さん(琉亜さん)-パイロット

・須賀雄大(きりぅ)-会社員

 

新規探索者推奨シナリオにも関わらず、全員継続探索者で参加するという暴挙。

職業も年齢もバラバラ、どこで知り合ったの?としか言えない

個性豊かな面子が揃いました。バランスは動と静が2:2で良い感じ。

 

まつきさんKPは誘った私ですら初めましてで、

どんな卓になるのか楽しみと不安が入り混じったような気持ちで

当日を迎えましたが、杞憂とはまさにこのこと。

入った瞬間のとふの作りこみ具合、かっこいいBGM。

一気にテンションが上がったのは忘れません。

フロアタイルも絶対作らなきゃいけないってわけではないけれど、

歓迎されてるなっていうのが一目で分かるのと、

シナリオへのKPの熱量を感じられるもののひとつですよね。

ローディングが増えてた時はわくわくしたし、数字を考察したりも楽しい。

メタ禁止だったのでひとりでそわっそわしてました。

 

進行もとてもスムーズ。

次はどう動けば良いんだろう?と首を傾げるところもありましたが、

可愛らしいKPの誘導がちょいちょい入ってにこにこしながら進んでました。

このキーパリングが後々の演出に一味利かせていて最高です。

時間管理も完璧で、情報量に押しつぶされそうなシナリオなのに

休憩もたっぷりで全然疲れを感じずに進むことができました。

 

 

さて、卓の中。

探索パートは…………こんなにファンブル出るモノ??と思うくらいに

ファンブルファンブルファンブルの嵐。

琉亜さんは分かるんですが、今回は蜂さんも凄かった。

琉亜さんは流石失敗(ファンブル)慣れしてるだけあってその後がカッコイイ。

 

どうしてもどこか抜けてる4人で協力し合っての探索は

最初こそぎこちなかったものの、中盤には馴染んで

それぞれの特性を活かした動きに変わっていったのが良かった。

 

茶路さんはちょっと頼りないけど、どこまでも純粋で。

「ハッピーエンドじゃいけないんスか?」はね、須賀もキました。

達観してしまった自分が無意識に逃げていた部分を真っ直ぐに見つめる

その強さがとても眩しかったです。

 

魅衣ちゃんも天真爛漫で素直。

好奇心旺盛だし、正義感も強いけど、怖がりで。

そんな彼女が明らかに危ない場所に誰かを助けるために駆け込もうとした時は

追いかけるしかなかった。

あの時、潔癖症発動してたんですよ。

でも、とっさに抱えてドアを閉める判断をしたくらいには、

守りたい気持ちが強かったんですよね。

彼女は須賀が今回動く一番の動機でした。

 

終夜さんは冷めていて、自由。何を考えているか読めない印象。

でも、なんだかんだこじつけでも理由を付けて手を貸してくれるので

犬との対応を見ていても、根は良い人なんだろうなあと思ってました。

彼が殺害に同意してくれた時はちょっとほっとしました。

一番敵に回したくなかった。

 

最後の選択、須賀の答えは「探索者を続ける」一択でした。

実は東京タワーに上る前に、ここで終わりになる覚悟はしていたんです。

自分にとって大事なものは何なのか、どう自分はありたいのか。

全部整理を付けて挑んでいたので、ほぼ即決。

 

音無さんを殺そうとしていたのは、

彼女の遺したものや状況から、彼女が「解放」を望んでいると思ったから。

それのリスクが生じるのであれば、全部自分が負うことも覚悟してた。

 

戦闘開始時、銃に怯むことなく、真っ先に音無さんに組み付いたのは

3人の前で万が一にでも化け物の姿にならないように。

傷を付けずに無力化させて、場所を変えてことを済ませるつもりだった。

ノックアウトではなく、窒息を選んだのは

3人がタイムマシンを壊している間、音無さんの意思を確認したかったから。

 

多分、須賀は音無さんの願いを叶えることはできた。

けど、きっとそれでおしまい。

その先の、彼女すら気付いていなかった”願い”を引き出して 

未来の可能性へ賭けさせることができたのは、茶路さんが最後まで諦めなかったから。

須賀の性格・価値観ではそこまでは絶対に辿りつけなかった。

 

あのENDは、あの4人がいたからこそ。

悩んで考えをぶつけ合って、全員が納得できたからこそのあの満足感、達成感。

これから探索者として生きて行く4人の姿を見守りたくなる、

本当に素敵なシナリオでした。

 

*****

2004年ーーーーーーー!

実は須賀の潔癖症が発症した原因になったあることが起こった年なんですよね。

勿論設定です。

やり直せるならやり直したい。そう思ってもおかしくないからこそ

問答の時間はとても楽しかったです。

須賀は探索者として2年間生きてきて、

『探索者・須賀雄大』の記憶を感情を少しずつ築きあげてきました。

彼にとっては、それがどんなに辛く理不尽なものであっても、

命をかけてもいいと思える大切なものなんです。

この記憶や感情は彼が探索者でなければ持ち得なかったもの。

なので、須賀はこれからも探索者として生きることを選びます。

出身地も現在の仕事も違うのに何故か設定上存在する『同級生』たちに対して、

彼自身も納得できる理由ができたのは有り難かったです(笑)。

終夜さんは忠犬と仲良く暮らしてね。

 

彼らの探索者人生が、これから1日でも長く続きますように。

 

 

END-全員生還

 

ふせったー

https://twitter.com/misumi_togo/status/1099274885761622016

https://twitter.com/misumi_togo/status/1099277799196508160

 

【SF・ファンタジー】「【CoCシナリオ】仰ぎ見る遡行」/「永童夜奈」の小説 [pixiv]